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自転車の旅
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7月19日(日) キヨさん 今日はジェラルトンでカズに町を案内してもらったが、見る所はあまりない。日曜だから、店もやってない。 カズに、一緒にキヨさんちにつれてってくれないかと聞いてみた。カズはキヨさんに電話してくれてオーケーがでた。 ビーチで夕日を見て、そのあとキヨさんちに行った。キヨさんは70歳をすぎているおばあちゃんで、指圧師だ。キヨさんちに着くと、入り口に赤い字ででっかくKIYOと書いてあった。車を止めて降りたとたん、いきなり、『なにやってんだよ!おそいよ!二人で力あわせてまき運んでくれ!。ここを食堂だと思ってんのか!』と言われた。挨拶もする前だったのでちょっとびっくりした。元気なおばあちゃんだ。青い髪で来ちゃったけど、怒られるかな? |
キヨさんといっしょに |
家の中に入ると薄暗く、明かりは暖炉の火の明かりだけだった。ぬいぐるみや、置物がたくさん。さっそく、奥のほうのキッチンへいき、そこのテーブルで食事を頂いた。おでんや、魚のフライや、ホットケーキみたいなものまで、その他にもいろいろ出してくれて、久しぶりにたらふく食った。
おいしいごちそうの素材は患者さんの治療費との物々交換。キッチンもすごい。独りで住んでるとは思えない。ガスコンロが3つ、冷蔵庫が6つ。パーティーが好きでよくひらくらしい。そのための冷蔵庫とガスコンロ。話をいろいろ聞いたら、本や新聞などにも取り上げられた事のあるスーパーおばあちゃん。よくしゃべること。でもおもしろい。
カズに、家の中にバーがあると聞いたので見せてもらった。バーの名前はセクシーバー。カウンターの中にはグラスが並んでいる。たぬきの置物があって、4,5人がちょうどいいぐらいの部屋だ。昔はここで、よくコンニャク(コニャック)を飲み、チョコレートをつまんでいたそうだ。
臆病そうな大きな犬がきた。1650ドルで買ったんだって。犬も結構年寄りらしい。『でも、私みたいにはげてないだけましよ。』と冗談を言うんだけど、笑っていいのか困った。
一緒に写真を撮って、出会帳(出会った人にメッセージや連絡先をかいてもらう思い出ノート)に住所を書いてもらおうとして、住所教えてくださいって言ったら、『うん、簡単。キヨ ナイト、ジェラルトンで着くから』だって。昔は、キヨナイト、オーストラリアでも手紙が届いたことがあるらしい。金を儲けるのが好きで、使うのはもっと好きなんだって。自転車で旅してることを言ったら、30年とちょっと前に日本人で初めて自転車でオーストラリアを旅した人の話をしてくれた。どうやらあまり覚えてないみたいで、ちょこっとだけだったけど。餌はちゃんと食うように言われた。第一印象とは違う、おもしろい、いい感じのおばあちゃんだった。
(2002年5月21日、キヨさんに聞いた、30年前に初めて自転車で旅行したと言う方からこのホームページを通してメールで連絡があった。その伝説のサイクリストほりけんさんのページはトップページのリンク集にリンクをはっています。)
ジェラルトンで宿泊
7月20日(月)
今日は買い物の日。もうちょっと水を積みたいので、前につける荷台を探しに行った。荷台は見つかったものの、自分の自転車は安もので旅行に適したものではないので荷台はつけられなかった。残念。
釣りをしたけど釣れなかった。今日はそれくらいだ。明日は友達が来る。会いに来る人、待っててくれる人がいるのっていい。
ジェラルトンに宿泊
7月21日(火)
今日はパースで知り合った友達、恵子が来た。ここ、バタビアバックパッカーズには、ビジターズブック(宿を訪れた人がメッセージを残すノート)がないので、恵子がノートを買って作った。
アデレード出身のベイと言う男と出会い、カズ、恵子、ここで知り合ったオージーのベイと4人でビリヤードをした。
友達がダーウィンから電話してきた。自分と同じルートで北にチャリをこいでいるスネオ(ツネオ)の話を聞いて、やる気が沸いてきた。ベイ、カズ、恵子に出会帳を書いてもらって寝た。
ジェラルトンに宿泊
7月22日(水) ハエの巣
出発前に黄色の毛染めを買った。
今日は、バタビアのおっさんに写真を撮ってもらって出発した。ちゃんと壁にはってくれよ。
今日は久々にチャリに乗った。あーもう、ハエがうっとうしい。顔にとまるだけならまだいいけど、鼻の穴に入りそうになったり、口に入ってくるのもいる。まるで、体がハエの巣になっているみたいだ。
今日はちょっと頑張った。何とかあと3日でカナーボンに着きたい。今日は野宿だ。野宿にもだいぶ慣れてきた。寝床探しも結構楽しい。でも夜はつまんない。もう暗くて何もやることがない(18時33分)。星でも見てぼーっとするか。せめて、ちゃんとした明かりでもあればいいんだが。
夜一回目が覚めて時計を見たら、、まだ21時だった。
今日の走行距離・・・123.9キロ 新記録の時速56キロを出した。
BINNUの先で野宿。
7月23日(木) キャンプファイヤー
今日は朝、のぐそをしたら、そのあと車が来て見つかりそうになった。車が通りすぎてから土で隠した。やっぱ、出しっぱなしはマナー悪いかな?でも人間だけ穴を掘って土をかけなければいけないと言うのも納得がいかない。でもそういえば猫とかはちゃんと砂かけて隠すか。
羊が柵のない所にいるんだけどそれって野生かな?
今日もなんとかノルマを達成。ガソリンスタンドの蛇口からは、塩っぽい水しか出てこない。トイレの洗面所の水も塩っぽい。オーストラリアの田舎は水が不足している所が多く、海が近いので蛇口から塩水が出てくるところがある。仕方ないから水を買う事にした。命の水だ。金をけちってる場合じゃない。でも、ソフトドリンクのほうが安そうなので、値段を聞いてみると、おっさんがレストランで使用している飲み水を寄付してくれた。THANKS
MATE!
そう、今日も野宿。
夜は、たき火をした。乾燥しているので、マッチ一本ですぐに枝に火がついた。山火事の危険度、大。ああ、マシュマロがほしい。自分にとって、キャンプファイヤー=焼きマシュマロでもある。
空を見ると、飛行機のように点滅したが、途中消え、また点滅する物体を発見。UFOである。と、ロマンチックな気分にひたった。
蛾は特攻隊だ。火に向かって飛び込み、もちろんやられるのだが、また復活し、火に突っ込んでいく。それを3回ぐらい繰り返して死ぬ。強い。君の死を無駄にしない。頑張ってダーウィンへ行くぞ。最後に足で砂を集めてかける。あと片付けがたいへんだ。でも、またやろう。次は、WITH
マシュマロ。今日はたき火をして、星を見て20時まで時間をつぶせた。
今日の走行距離・・・127.5キロ ロードハウスからちょっと行った所で野宿。
7月24日(金) 命の水
今日荷物を積んでいる時、荷物を結ぶロープの金属部分が壊れた。そのあと、いい角度で木の枝が頭に刺さった。
オーバーランダーという所のロードハウスで昼飯を食った。「水はあげません」と言う看板があったので、水をトイレの洗面台からもらった。水をこんなに大切に思ったのは生まれて初めてだ。最近は、飲み水といえば浄水機を通した水や、スプリングウォーターしか飲んでいなかったが、今はそんなの関係ない。飲めればいい。ああ命の水。
昼食を終えて、再びチャリをこいでいると、反対車線から来た車のおっさんが車をとめて水をくれた。さっき水を仕入れたばかりなのに。でも、ありがたくもらっておくよ。2リッターもありがとう。THANKS
MATE。おっさんのおかげで今日は米を炊くことができるよ。
今日は向かい風。風とけんかした。風に文句を言いながら独りで叫んで走り続けた。最近独り言が増えてきた。車に挨拶して挨拶が返ってこないと、『ちゃんと教育うけてんのかー!』と叫んでみたり。周りにはだーれもいないから何でも言いたい放題。
夕焼けがかなり奇麗だ。
あああー、このハエ、どうにかしてほしい。サングラスの内側に付く。せっかく奇麗な夕焼けが見えるのに邪魔しないでくれ。
今日は、なぜかすごく疲れたが、なんとかノルマを達成。明日はなんとしてもカナーボンに着くぞ。
今日の走行距離・・・121.7キロ WOORAMELで野宿。
7月25日(土) 驚きの再開
理由なしに走るのは結構辛いものだ。
じゃーん!ついにきました。パンクです。びんの破片が落ちていてパンクするかなと思っていたら本当にパンクしました。ま、パンクなんてちょろいもんですよ。しかーし!気づいてしまった。タイヤの減りが早い。どこかで新しいタイヤを手に入れないと。
今日は昼に、道路脇でパスタを食った。
やった。何とか4日でカナーボンに着いた。久々にベッドで寝れる。3日間ぶっ続けで野宿してしまった。安くついた。結構孤独で寂しいかと思ったが、そうでもない。ひとりではあまりおもしろくないけど、寂しくもないし、孤独感も感じない。
今日はカナーボンバックパッカーズに泊まった。とりあえず、色あせてすっごい金髪になっている頭を真っ赤に染めた。なぜ今度は赤か?ジェラルトンに青の毛染めが売ってなかったから。
驚いた事に、パースの時の知り合い、おさむがいた。友達と言うほど親しくなかったが、何回か、みんなであそんだ。『どうしちゃったのその頭』と言われた。
もっと驚いた事に、外からキッチンをのぞくと、アデレードからパースまで一緒に車で来た、イギリス人のマイクがいた。マイクも驚いてたよ。自転車で旅してると言って、また驚いていた。
久々にはじけた人、かなみさんと、アデレードの知り合いの元彼女、まきこと出会う。そして、明日は3人で農園にケーキを食べに行く事になった。
ここは農園が多く、フルーツピッキングをして働く旅人が多い。日本人も結構たくさんいた。
今日の走行距離・・・132.2キロ CANARVON BACKPACKERSに宿泊。
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