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オーストラリア探検 2006年9月号

歴史とカネの戦い

上の写真、左に積み重なった岩の中にたくさんのロックアート。真ん中の奥に工場。開発でたくさんのロックアートが壊されたそうです。

今回はアボリジニの残した何万もあると言われている貴重なロックアートを探しに行って来ました。日本語で言うと、壁画?壁ではないんだけど、そのロックアートとガスや鉄鉱石などの、オーストラリアの大自然から湧き出るカネの素との戦いの話です。
オーストラリア北西、カラーサ周辺の地域のことをピルバラと言いますが、ピルバラ地域では鉄鉱石、天然ガス、石油などのカネの素が湧き出ます。また、カラーサ周辺にはアボリジニのロックアートも多く残されています。4万個近くあるそうです(Discover The Pilbara Coast、ピルバラ観光案内参照)。しかし、カネもうけの為に開発をするにはそのロックアートのある土地が必要となることもあり、いままでに何千というロックアートが破壊されたと言われています。開発する方は、今までは知らないふりをしてきたらしく、最近その事がテレビで取り上げられました。
まあ、オーストラリアに住む自分としては、オーストラリアが繁盛してくれるのはいいことだけれども、資源が無くなった日にはどうなるんでしょうね。なんせ航空業界も含め、資源の採掘に頼って生きている人が多いから。あっ、しまった。自分もそのひとりだった。何百年はもつのかもしれないけど、いつかは必ず無くなるわけだから。

そんなカネの湧き出る土地の上にアボリジニのロックアートが覆い被さっているわけです。作品のほんの一部を紹介


トカゲ?

???

亀?

人?

???

小動物?

エミュー?

市民の間では、「ロックアートを守れ!、これ以上壊してはいけない!」という意見が多いようですが、「こんなのアートと言えるかわかんないね」という人もいます。そりゃ中には誰かが落書きのように描いたものもあるかもしれないけども、ヨーロッパ人が入ってくる何百年も何千年も前と言われている時代から残されているんだから、歴史的な価値があることには変わりない。考古学の調査によると、アボリジニはこの地域で2万年以上前から生活していたそうです。どちらにしても、最近テレビに取り上げられたので、カネの素を掘る側も知らん振りして壊し続けるわけにはいかないでしょう。

ピルバラを訪れる機会があれば是非ロックアート探検を。「あ、ここにも!ここにもあった!、あそこにも!」という発見が楽しめます。ここにあるよという看板がでているところは、「ここでたくさん発見されました」というだけで、まだまだ数え切れないほどたくさん残っているので、看板がないところにも偶然あったりします。多く見れるところは、カラーサでは月の階段の見えるビーチとして有名なヒーソンズコーブ(Heasons Cove)の近くにありますよ。ビーチへ近づいてきたら左側に工場、右側に積み重なった岩があり、岩山のほうに道があるので、そっちのほうへ入っていけばすぐわかります。引き潮の時間を調べて行けば、帰りはヒーソンズコーブで貝が獲れますよ。日にちも合わせて行けば、月への階段も見ることができるかもしれません。月への階段とは、潮の引いた砂浜(沼地)に水平線から昇ってくる月の光が反射して、その光が月まで続く階段のように見える現象です。月への階段は満月が夜昇る晴れの日でないと見れないので、ヒーソンズコーブでは2006年は9月9日、7時45分と10日の8時48分、10月9日の7時31分の3回だけです。

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